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Column

叢生(そうせい)(乱杭歯、凸凹歯、ガチャ歯)について解説します

以前のコラム「不正咬合の種類と早めの相談をおすすめする歯ならび・かみ合わせの解説」において取り上げた叢生について解説します。

叢生(凸凹歯、ガチャ歯)とは

叢生(そうせい)は、乱杭歯(らんぐいば)、凸凹歯、ガチャ歯などと呼ばれることもあり、歯が前後や上下にズレたり傾いたり、あるいは二枚歯といわれるような重なった状態になるなど、歯がきれいに並んでいない状態を指します。
犬歯(糸切り歯)が唇側にズレている八重歯も叢生の一種です。

叢生は歯並びがデコボコになっている状態を指すため、上顎前突(でっ歯、ゴボ口)や下顎前突(うけ口、反対咬合)と併せて叢生である場合もあります。

日本矯正歯科学会のページでは「八重歯・乱ぐい歯(叢生)」について説明されています。(参考:https://www.jos.gr.jp/about)
このコラムの内容と重なる部分もありますので、一読をおすすめします。

叢生の原因

顎(あご)の骨のうち歯が並ぶ部分(一般的に歯ぐきと呼ばれる部分)を歯槽骨(しそうこつ)といいます。
この歯槽骨の長さよりもそこに並ぶ必要のある歯の横幅の合計が大きい場合、歯槽骨に収まりきれない歯がはみ出してデコボコになってしまいます。この状態が叢生です。例えるなら、行列に並ぶ際に場所が足りずにはみ出してしまうのと似ています。

このスペースの不足は、顎の骨が小さい場合や、逆に歯が大きい場合に生じます。
また、大人の歯並びでは奥歯の位置の影響で叢生になることもあります。乳歯から永久歯への生え変わりは、一般的に「第一大臼歯(六歳臼歯)→前歯→犬歯・小臼歯→第二大臼歯(十四歳臼歯)」という順番で進みます。
そのため、犬歯や小臼歯が第一大臼歯よりも後に生えてくる際に、乳歯の虫歯などで第一大臼歯が本来の位置より前にずれてしまうと、生えるスペースが不足し、叢生になることがあります。

叢生に注意しなければならない理由

歯が前後・左右にズレたり重なったり、傾いたりねじれたりしていると、歯ブラシの毛先が届きにくく、歯みがきが難しくなり汚れが残りやすい部分ができてしまいます。
このため、虫歯や歯周病のリスクが高まり、特に生えたばかりの永久歯(幼若永久歯)は成熟が不十分で虫歯になりやすいため、注意が必要です。

また、歯の噛み合わせの位置と顎の関節に不調和があると、顎の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
前回のコラム「下顎前突(反対咬合・うけ口)について解説します」の「成長期の下顎前突に注意しなければならない理由」にも書きましたが、成長期に顎の関節にガイドされて咬む位置と、歯並びにガイドされて咬む位置が異なっていると顎の骨の発育に影響を及ぼす可能性があります。
叢生はこの咬む位置のズレの原因になることがあるために注意が必要です。

叢生の治療方法

叢生の治療では、歯に力をかけて適切な位置へ移動させます。
歯の位置を動かすための矯正装置として、以下のようなものがあります。

  • マルチブラケット(ブレース)装置(唇側ブラケット装置、裏側矯正装置、舌側矯正装置など)
  • マウスピース型矯正歯科装置(インビザライン、アソアライナー、キレイラインなど)
  • その他(舌側弧線装置(リンガルアーチ)、床矯正装置など)

これらの矯正装置は、ブラケットの溝にワイヤーを通したり、マウスピースの弾力を利用したりして、八重歯やねじれ歯、凸凹歯を正しい位置へ矯正します。
強すぎても弱すぎても効果が得られない、副作用いため、指示された使用方法・時間を守り、定期的に通院して状態のチェックと必要な調整を行うことが重要です。

他にもいろいろな装置や治療法がありますのでいずれご紹介したいと思います。

骨格の問題(上顎前突、下顎前突、非対称など)を伴う場合は骨格へのアプローチも必要です。それらについてはそれぞれのコラムで詳しく説明します。

歯ならびやかみ合わせに気になることがあればお気軽にご相談ください。

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